タラバ蟹に見えるでしょ?
よく似てますが、違います。
アブラ蟹といいます。今日の5000円のコース料理の揚げ物でお出ししました。
生の状態では、タラバ蟹よりもやや紫色に近い色をしていて、
甲羅の下の辺りのイボイボが、タラバ蟹には6つ有りますが、アブラ蟹には4つしか有りません。
更に、タラバ蟹の脚の先は、裏側も赤いですが、
アブラ蟹の脚の先の裏側は、白い。
特徴としては、この3点位かな?
んが、
味は、タラバ蟹もアブラ蟹もたいして変わりません。
なのに、アブラ蟹の方が断然安い。
一般的に『タラバ蟹の偽物』って認識されているからだと思われます。
可哀相なヤツです。
しかし、
この最近は、
アブラ蟹も結構な金額がするんですよ。
10年位前は、1kgあたり1000円を切ってましたが、
今は、2000円位します。
因みに、タラバ蟹は、10年位前は1kgあたり1500円位でしたが、
今は、軽く3000円を超えます。通販で買うと、1kgで壱万円位ふんだくる店もザラに有ります。
・・・上に書いた金額は、全部活かしで入荷してくる、蓋を開けたらガサガサと這い出してくる様な蟹の金額です。
ボイルした物や冷凍物になると、金額はガクンと落ちます。当然、味もガクンと落ちます。
だいぶ前に、少しだけお話ししましたが、
10年位前までは、根室漁港にロシア船が偽物の入港許可証を掲げて堂々と入港し、
活きたタラバ蟹をわんさかと港に降ろしてロシアに帰っていたそうですが、
鈴木宗男さんが外務省ともめて、ロシアとの付き合い方が問題になった時の関係で、その暗黙の了解が表面に浮かんできて、
ロシア船は偽物の入港許可証では日本の港に入港する事が出来なくなり、活かしのタラバ蟹を根室漁港に降ろせなくなりました。
日本国内に出回っていた活かしのタラバ蟹は、ほとんどがロシア産だったので、
その頃に一気に品薄になり、金額が跳ね上がった上に、
注文すれば簡単に手に入っていた5kg、6kgの大きさのタラバ蟹が、一切入荷しなくなりました。
今では水族館でしか見る事が出来なくなりましたが、
10kg近いタラバ蟹も、注文すれば、入荷出来ていたんですよ。
ウソじゃ無いですよ!
僕は7kg〜9kgちょっとのサイズのタラバ蟹は、何回も食べてます。
9kgを超えると、すっごいですよーっ!
脚を広げると、僕の身長(175cm)とほぼ同じでした。・・・これは少し言い過ぎた。んが、150cm位は有りましたよ。
爪は、下にコンクリートブロックを据えて、金槌で思いっきり叩かないと割る事が出来ませんでした。・・・これはマジ。
・・・凄いでしょ?
それを、3万円位で仕入れる事が出来てました。
今となっては、いくら金を積んでも仕入れる事が出来ません。
記念に甲羅を取っておけば良かったと、未だに後悔しています。
しかし、
喉元過ぎれば・・・という事の様で、
最近は、ジワーッとロシア産の活タラバ蟹が市場に増えて来た様な気がします。
今回のアブラ蟹も、ロシア産。
正規の認可を得て入港許可証を取得したロシア船が増えたんでしょうか?・・・なーんか、日本側の検査が緩くなって来たんじゃないか?って僕は思っているんですが。
という事で、
海将では、10年位前は、一人前3000円で活かしのタラバ蟹を1kgずつ付けて、鍋出汁にタラバ蟹の味噌を溶かしこんで食べる『蟹鍋』をお出ししていました。
時期になると、生の状態では紫色をしているのに、火を通すとダイダイ色に色が変わる、タラバ蟹の内子がたっぷり入ってました。
鍋に入れても旨かったんですが、
生のまま塩漬けにした『タラバ蟹の内子の塩辛』は、最高に旨かった!
・・・これがタダで作れていたんですが、
最近は出荷される時点で仕分けられるようで、内子が入る時期にタラバ蟹を頼んでも、オスしか入荷して来ません。
しかも、
最近は、大きいサイズでも3kg位の物しか仕入れる事が出来ないし、入荷状況も不安定なので、現在、活かしのタラバ蟹の注文は受けていません。
もし、「活きたタラバ蟹を鍋で食べたい!」って方がおられましたら、お電話下さい。
入らない訳では無いので、準備しますよ!
一人前壱萬圓は覚悟しといて下さい!!!しかも、日にちはこちらで指定させて頂きます!
・・・全く、お勧め致しませんっ!
大多数の他店同様、冷凍物で良ければ簡単に準備出来ますが、
これも、全くお勧め致しません!
ひとつ、付け加えておきますが、
前にも話した通り、
タラバ蟹もアブラ蟹も、
蟹蟹蟹蟹言ってますが、
蟹ではありません!
ヤドカリの仲間です!
お間違えの無い様に。
by海将てんちょ
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