海将には、幅180cmと90cmの生簀を設置してあります。両方とも、潰れた店から譲り受けた物です。・・・譲り受けたと言っても、気持ち程お代は払いましたが、併せて15万円。
新品で買うと、大きい生簀は定価200万円位、安く買っても100万円位、小さい生簀でも定価100万円位、安く買っても50万円位します。
大きい生簀は10年位、小さい生簀は8年位使ってますが、どこも壊れる事なくバリバリ仕事してます。
今日は、小さい方の生簀の掃除をしました。
小さい方の生簀は主に貝類を活かしているんで、同業者の皆さんはご存じでしょうが、濾過器の中がメチャメチャ汚れます。真っ黒。
まず、
海水を全部抜いて、生簀の中を水洗い。
次に、問題の濾過器。この中に、石綿と木綿と珊瑚を乾燥させた物と活性炭が入ってます。
これを全部取り出して、ひたすら流水で洗い流します。
昔、1回だけ洗濯機にぶち込んで洗ったら、嫁さんが激怒った!「洗濯機の中が目茶苦茶じゃあねっ!」・・・嫁さんの頭に角が見えた。
だから、手で洗います。
綺麗になったら、外に出して天日干し。
んで、新しい海水を張って、良く乾かした石綿等を濾過器に戻して終了。
この小さい生簀でも、海水が250リットル入ります。大きい方は600リットル。
これを、小野田港からバケツで汲んで来ます。チャリンコで50往復位して。
・・・ウソ。
魚屋さんにお願いして、宇部の市場の生簀から汲んで来て貰います。勿論、車で。
宇部の市場の生簀の海水は、宇部沖から引っ張ったパイプを通って、ポンプで汲み上げられています。
この海水でも良いんですが、
この辺りで一番良いのは、
下関の関門トンネルの中に染み出た海水をポンプで地上に汲み上げた物。
関門海峡を行き来する海水が海底に染み込んだ物がトンネル内に染み出て来たのを汲み上げているので、1度綺麗に濾過されたようなもんです。
この海水を何度か入れた事が有りますが、雑菌が少ないので明らかに魚の保ちが違います。
毎回入れたいんですが、なんせ遠いんで、宇部沖の海水で我慢してます。雑菌まみれの小野田港の海水よりはマシ。
同じ海水でも、採取する場所によって全然違うんですよ。
・・・ここから、あんまり関係無い話に変わりますが、、
「チェイサー」。
今日のお客さんの中におられたんですが、
「水割にするけえチェイサー頂戴!」
・・・?
チェイサーの意味は判ってるのかい?
チェイサーは「追い水」です。
焼酎に入れる水はチェイサーでは有りません。タダの水。
アルコールの度数がキツい酒を飲んだ後に、口の中をサッパリさせたり、胃の中のアルコールを薄めて悪酔いを防いだりする為に飲むノンアルコール若しくは低アルコール飲料の事をチェイサーと呼びます。
だから、水じゃなくて、
ソーダ水でも、オレンジジュースでも、ウーロン茶でも、極端な話ビールでも、もっと極端な話小野田港の海水でも、
度数のキツい酒を飲んだ後に飲む飲物は、全てチェイサーです。
という事で、
今日来られた5人組の中の東京弁のお客さん、
空のポットを振りながら、威張って「チェイサー無くなったからさー、持って来てくんない?チェイサーだよ!チェイサー!」って、焼酎の水割りを作りながら理解に苦しむ発言をされてましたが(なーんか知らんが、無愛想な面して関東弁で喋られると無性に腹が立つ。)、
焼酎に混ぜてる時点で、それは、チェイサーではありませんから。ミネラルです。
どーせ、「チェイサーって言葉を使ったらカッコイイ」とか思ってるんでしょ?・・・カッコ悪。
無理してわざわざそんな使い慣れていない言葉を使わなくても良いんじゃないかとてんちょは思いますが・・・
もしかしたら、都会の飲み屋ではミネラルの事をチェイサーと呼ぶのかも知れませんが、
田舎の飲み屋ではミネラルはミネラル、チェイサーはチェイサーと呼びます。っつーか普通に「水ちょーだい!」で充分判りますよ。
by海将てんちょ
コメント & トラックバック
コメントする