お客さんからよく聞かれる事の一つに、
「調理場がこれしかないのに、よく40人分も50人分も料理が作れるねえ。どこに直しちょるん?」
っていうのが有ります。
確かに、厨房には3枚ドアの台下冷蔵庫と4枚ドアの冷凍冷蔵庫しか置いて有りません。
んが、
お店の裏に倉庫が有って、そこに、
冷凍ストッカー(マイナス20℃)4台、(マイナス60℃)1台、野菜庫(4℃)1台、4枚ドアの冷蔵庫(2℃)1台
が置いてあります。
これプラス、厨房のマイナス1℃に設定した台下とマイナス2℃とマイナス25℃に設定した4枚ドアの締めて9台を使っているので、フツーに収まります。厨房の中だけじゃあ全然無理。
因みに、酒類の冷蔵庫も合わせると、計15台。ついでに言うと、エアコンは10馬力から家庭用迄、全6台。電気料金がオオゴトです。毎月届く中電からの請求書を見る度に、頭の中が・・・チーン!
エアコンは、日によっては勿論、営業中もそれぞれ1℃単位で調整します。常に同じ温度だったら快適という訳では無いですよ。外気温や湿度やエアコンの設置場所によって快適な室温は変わります。
たまに、外はクソ寒いのに、ミニスカ&肩丸出しでやって来て「さむ〜い!エアコンの温度上げてぇ〜やぁ〜!」って馬鹿な事を言う姉ちゃんがいますが、無視。当たり前の服装をしている人が暑くなるじゃろうが。寒けりゃあ、真冬に裸寸前の格好して家から出るな。服を着ろよ、服をよー。
BGMも然り。来店客数や客層等で4個のスピーカーの音量を調節します。
建て増ししようが、壁に穴を開けようが、看板の位置を変えようが、通路に棚を造ろうが、何をしようが自由。これが個人所有の店舗のいい所。
ところが、
テナントではこうはいきません。何をするにも家主の許可が要ります。しかも、その許可がなかなか下りません。それよりなにより、そういうスペースが取れません。
更に、
クロスの張り替えや、席を掘り炬燵にするとか個室にするとかといった、内装のリフォーム等も、
最終的に家主の物になると思うと、大なり小なり、お店に投資する事に二の足を踏まざるを得ません。エアコン1台やり換えるのにも躊躇してしまうのでは?
ここで集客力に差が出ます。
更に更に、
自前の店舗と借り物の店舗では、
店舗に対する経営者の「愛着」という物が、まるで変わって来ます。
テナントで商売をしていると、店舗は商売道具の一つにしかなり得ません。自前の店舗と比べると、扱いが雑になります。
レンタカーとマイカーの違いみたいなもんです。
お店に愛着が無いと、大切に使おうという考えが薄くなります。内壁が傷ついていても「少々ええわい。」、外壁が汚れていても「少々ええわい。」、床の隙間から風が入ってきても「少々ええわい。」、
その他モロモロ、一つ一つはどうでもええっちゃぁどうでもええ事が手抜きになって、それが積もりに積もって、よっぽど気を付けておかなければ、
集客力に大差が出ます。
この「気を付ける」というのが難しい。
店舗に愛着を持っていると、必然的にチョコチョコ気がついて直す事が当たり前に出来るんですが、
テナントだと、スタッフは勿論、経営者までがシッカリ気を付けておかないと小さい事を見逃しがちになります。
開店してから1年間位は、それがきちんと出来ているお店が大半ですが、
2年経ちーの、3年経ちーのするウチに、
だんだんアチコチにボロが・・・
って感じの店をわりかし見掛けます。
少なくとも、てんちょにはそういう傾向がありました。
海将を開店してから6年目に宇部市に出店した「飛寅」。テナントでした。
人任せにして、自分がそこで働いていなかったという要素も有りますが、
海将と比べると、まるで愛着が沸きませんでした。
んで、
なーんかどうでもよくなってきて、丸3年経った所で、当時の飛寅の店長のゆうちゃんにお店を譲った次第です。
そりゃあ、自分で経営していた方が小遣いが増えて良いのは良いんですが、・・・イマイチ面白くない。多分、2店舗目を出店する事は2度と無い。目が行き届かないというのも理由の一つです。多店舗展開を成功させるには、妥協という物が欠かせません。他人に店を任せる訳ですから。自分が想像している料理と違う料理がお客さんに提供される。そりゃー、ほぼ一緒な訳ですが、少しでも違うと思うと、・・・うーん。ってなります。
そのうち、てんちょが「分身の術」を使いこなせる様になった時に、多店舗展開を考えます。
「お店に対する愛着」
・・・大事です。仕事に対する姿勢が変わります。
同業者の皆さん!
自分でお店を造りましょう!
毎月毎月10万も20万も家賃を払う位なら、
20坪30坪の店舗なら10年もローンを組めば自分で建てる事が出来ますよ。よっぽど街中じゃあ無い限り。失敗したら、売るなり貸すなりすればいいんですから。
by海将てんちょ
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