渡り蟹と関門蛸の関係について(わたりがにとかんもんだこの かんけいについて)

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かなり前に、「この辺りでは、蟹が多い年は蛸が少なく、蛸が多い年は蟹が少ない。」という様な事を書きましたが、

今日はそれについて詳しく説明してみようと思います。

が、その前に、

佐賀県太良町竹崎温泉地区の旅館等で出される事で有名な「竹崎蟹」。

佐賀県や長崎県へ旅行に行って、竹崎蟹を食べられた方は多いと思いますが、

宇部の市場に揚がった周防灘の渡り蟹を、毎日大量に佐賀長崎方面に出荷してます。

どういう事か?

・・・そういう事です。

貴方が食べた「竹崎蟹」は、宇部の市場に揚がった「ガザミ」の可能性があるという事です。名前が違うだけで、見た目も味も同じですから食べても違いは判りません。

「呼子の烏賊」も然り。

萩の市場に揚がったヤリイカを、活かしたまま大量に呼子に出荷してます。

どういう事か?

・・・そういう事です。

鱧もそうです。

山口県東部で揚がったハモを、大量に京都方面に出荷してます。

どういう事か?

・・・そういう事です。

【本質を見極めろ!】

こんな話は挙げればキリが無い位有ります。・・・もうやーめた。

さて、

そろそろ、蟹と蛸の関係について説明しようと思います。

まず、

関門蛸。

蛸は色々な物を食べますが、

渡り蟹が大好きです。

蛸釣りをされる方はご存じでしょうが、蛸釣りは蛸釣り専用の仕掛けに渡り蟹を巻き付けて蛸を釣ります。

豚の脂身を巻き付けて、鯉のぼりの吹き流しの様な派手な飾りを巻き付けた様な仕掛けでも良く釣れますが、

やはり、蛸釣りには「蟹」です。

だから、何かの拍子に蛸がたくさん大きく育つと、捕まえやすい小さい渡り蟹がたくさん食べられてしまいます。

すると、

当然の如く、渡り蟹の絶対数が減少します。

ところが、

渡り蟹の数が減ると、今度は蛸の食べる餌が減って、蛸自体が減少します。

すると、

天敵の減った渡り蟹が増加するという訳です。

更に、

渡り蟹も色々な物を食べますが、

小さい蛸が大好物です。

だから、蛸がたくさん子供を産むと、渡り蟹の餌が増えて、今度は渡り蟹が増加します。

これで、蛸が減少します。

すると、

今度は渡り蟹の餌が減って、渡り蟹の数が減少します。

逆に、天敵の減った蛸が又増加します。

・・・この繰り返しです。

だから、

この辺りでは、関門蛸が多い年はガザミが少ない。ガザミが多い年は関門蛸が少ない。という事になります。

蛸と蟹は、自然界で「持ちつ持たれつの仲」でやっていっているんです。

以上。(判りにくい説明で申し訳ない。)

因みに、

渡り蟹の雄と雌の見分け方は、

爪が長くて腹の所の△が細いのが雄。

爪が短くて腹の所の△が太いのが雌。

ついでに、

雌の蟹を腹側から見て、右左両端から橙色が透けて見えたら、てんちょの大好きな内子がパンパンに入ってます。即購入すべし。

もひとつオマケに、

渡り蟹は、満月前後に産卵します。

だから、満月の10日位前から内子を孕みだします。

故に、

子持ちの渡り蟹が食べたければ、今月だったら、

今っ!!!(3月30日が大潮中日、月輝面99.8%月齢14.3日、つまりほぼ満月!)

今日あたりから、気の早い雌は産卵を始めます!産卵を始めると、内子が減って、外子が増えて、栄養を子の方に持って行かれているので、身はバサバサです!・・・そうなる前に、

魚屋に走れっっっ!!!

by海将てんちょ

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