昨日、白魚が当たり前の様に出回って、もう面白くも何とも無い、みたいな事を書いて思い出したんですが、
「柚子胡椒」。
これもそうです。
今でこそ、この辺りの飲食店には普通に置いてあって、皆当たり前の様に使っていますが、
ほんの10年位前迄は、この辺りの殆どの人が見た事も聞いた事もない様な調味料でした。
青柚子の皮をすり卸した物と青唐辛子を擂り潰した物を混ぜて、塩で味付けして柚子の果汁で適度な固さに整えたら出来上がりです。
「何で柚子と唐辛子なのに柚子胡椒?」
・・・この調味料は、大分県日田市の名産です。
大分県の辺りでは、唐辛子の事を胡椒と呼びます。因みに胡椒の事は洋胡椒と呼びます。
だから、柚子と唐辛子で柚子胡椒。
んで、
てんちょが海将を始めた頃は、この柚子胡椒を日田市まで直接買い付けに行ってました。まあ、休みの日に遊びがてらにですが・・・
地元の食堂に入ると、必ず「醤油・塩・七味唐辛子・柚子胡椒」がテーブルに置いてあります。これを鳥モモの炭焼きにつけて食べると旨い旨い。今でこそ、あちこちで普通に食べる事が出来ますが、その当時はてんちょにとってはかなり新鮮な料理でした。
柚子胡椒を買って帰って、お店で常連さん達に出すと、色々な反応があって面白かったのをよく覚えています。
自分で作った事もあります。かなり上出来だったんですが、なんせ手間が掛かり過ぎる。だから作ったのはこの1回だけ。
その柚子胡椒が、
ポテチになり、かっぱえびせんになり、プリッツになり、カールになり、柿の種になり、
全国メジャーデビュー!
挙句の果てに、
スパゲティのソースになり、ラーメンの薬味になり、サラダのドレッシングになり・・・挙げればキリが無い。
せっかく、地元でしか食べる事が出来なかった食材が、何でもカンでも何処でも誰でもいつでも食べる事が出来る。
良い事の様な気もするが・・・
風情がないっ!!!面白くないっ!!!
昔、旨かった柚子胡椒が、今は旨くも何とも無いっ!
こんな食材が巷に溢れて・・・つまらん。
つまらんつまらんつまらんつまらんつまらん!!!
あー、そうそう。
柚子胡椒に似た調味料で、新潟に「かんずり」というのが有ります。
材料はほぼ同じですが、かんずりは唐辛子を雪の上でヘロヘロにさせてから糀と混ぜて作ります。柚子胡椒より辛味がまろやかで甘みが有ります。
こいつはまだメジャーデビューして無いから、
皆さん、こいつだけはそっとしといてやって下さい。
by海将てんちょ
コメント & トラックバック
コメントする